猫に玉ねぎは超危険!犬や猫に絶対に玉ねぎを与えてはいけない理由とは
あれ、なんだか愛猫の様子がおかしい…。猫の嘔吐、下痢、血尿と続いたらご用心!その症状、もしかして5日前に食べさせた「ひとかけらのハンバーグ」が原因かも知れません。
猫に限らず、犬、ウサギ・フェレット・ハムスターなども与えてはいけない食べ物といえば「玉ねぎ」です。
もっと正確にいうなら、長ネギ・ニラ・ニンニク・ラッキョウ・ワケギ・ノビル・ユリ根は全てNG。
玉ねぎは人間が食べれば血液サラサラ、ダイエットに効果があると言われ、年中手に入る便利な野菜。しかしこれは人間のみ。絶対に猫に与えてはいけません。
今回は、とっても恐ろしい玉ねぎの中毒症状について徹底解説致します。
■どうして玉ねぎはペットにいけないの?
人間には栄養満点の玉ねぎ。便秘に効果のあるオリゴ糖や食物繊維、そしてむくみに効く余分な塩分を排出してくれるカリウムが豊富です。悪玉コレステロール減らしてくれたり、脂肪の吸収を抑える働きもあるとか!毎日食べたいですよね。
しかしタマネギ、ニンニク、ニラには、猫に有毒な物質アリルプロピルジスルファイドが含まれています。このアリルプロピルジスルファイドはヘモグロビンを酸化させることにより、溶血性貧血を起こす作用があります。
犬や猫が食べると赤血球に傷害を与え、貧血をおこしたり、血尿の原因になります。
この物質は、加熱しても安定しているため、ハンバーグ・シチュー・コンソメ・すき焼・肉じゃが・鍋物・天婦羅・串カツ・カレー・チャーハン・味噌汁といった玉ねぎを使う料理は犬や猫に絶対に食べさせてはいけません。
■犬や猫に食べさせたらどうなるの?
玉ねぎ中毒には解毒作用がありません。そして恐ろしいことに、中毒の症状が出るのは12時間後、2~5日後と時間がかなりたってから発症します。
主な症状としては、猫がふらふらとおかしな歩き方をする(溶血性貧血)、歯茎が真っ白になる(可視粘膜蒼白)血色素尿、黄疸、元気沈衰、食欲消失、呼吸が早い、下痢、嘔吐などの症状が起こります。最悪死亡する事もあります。
■もし玉ねぎを食べてしまったら
なるべく早急にかかりつけの動物病院で診察を受けるのが1番ですが、間に合わない場合は、吐き出させましょう。
指やボールペンの後部の先の丸い部分で舌の根元の部分を刺激すると吐きやすくなります。
薄い食塩水を飲ませるとより吐きやすくなることがありますが、これは止むを得ない場合のみです。
完全に致死量以上の玉ねぎを食べた場合で、吐かなかった場合には、病院では2~4時間以内であれば、状態によって麻酔をして胃洗浄を行う場合があります。
■個体差もある
ある獣医師が猫に体重 1kgあたり28gに相当する玉ねぎのスープを1日3回三日間にわたって猫に飲ませたところ、貧血の時の出現するハインツ小体が認められ、スープの量を2倍にしたところ血尿が出るようになったそうです。
しかしこの実験の間、猫の健康状態は良好で、スープを飲ませるのをやめたところ、数日で赤血球の量は正常に戻ったとか。
玉ねぎ中毒には個体差があるようですね。
■ある玉ねぎ中毒の例
体重が30キロは越えている大型のハスキー犬が、金曜日の夜の晩御飯として鍋物の残りを与えられたそうです。すると翌日の土曜日に食欲がなくなり、飼い主はおかしいと思いつつそのままにしておきました。
しかし日曜にさらに元気がなくなったのでこれはおかしいと思い、動物病院を探しましたがったが休みだったために月曜に往診を依頼したところ、獣医師が到着するまでに死亡してしまったそうです。
■最後に
いかがですか。玉ねぎ中毒の恐ろしさをわかっていただけたでしょうか。この玉ねぎ中毒が初めて報告されたのは、日本では1975年です。北海道大学の家畜病院に血尿が出る秋田犬が診療にやってきて発覚したのだとか。
実例として犬の例をあげましたが、一般的に犬よりも猫の方が体は小さく、その分毒が回りやすいと考えられます。小さじ一杯の玉ねぎのスープを飲ませただけでも、猫の体内では異常事態となるはず。
個体差があるとはいえ、やはり玉ねぎはペットには大変危険な食べ物だと覚えておいて下さい。玉ねぎはいろんな料理に入っていますから、人の食べ物をあげる習慣は危険です。猫よりも犬の方がついつい食べてしまう確率が高いといいます。
飼い主の皆さんは、くれぐれも注意してあげて下さいね。