猫の体にできる「しこり」「出来物」は肥満細胞腫かも?シャム猫さん要注意!
冬になると、こたつと猫は必需品。猫の方も寒いせいか飼い主にべったり。いつもよりもモフモフタイムが長くなって仕事になりませ?ん!
というのはさておき、猫をモフモフしていると、体に「あれ?」と感じるモノがありませんか?
1ミリから5ミリ程度のちいさな「しこり」を猫の体に見つけたら、要注意。
それはもしかしたら「肥満細胞腫」かも知れません。
今回は、飼い主が「ニキビかな?」とつい見過ごしてしまいやすい、「肥満細胞腫」についてご紹介しましょう。
☆肥満細胞腫とは?
肥満細胞とは、猫が肥満になることとは関係ありません。この細胞は、皮膚のかゆみを引き起こすヒスタミンを放出する細胞で、体のどこの部分にでもできる、厄介な小さな出来物です。
この細胞が腫瘍化するのが肥満細胞腫です。発生する場所によって「皮膚型」と「内臓型」に分かれます。
【皮膚型】
猫の頭や首の周り、肘やかかとなどの関節周囲によくできる数ミリ程度の小さな出来物です。猫の肥満細胞腫は50~90%は良性だと言われ、犬の肥満細胞腫と違って、それほど危険なものではありません。
ただし、すべてが良性というわけではなく、ごくまれに急激に大きな「しこり」なったり、数カ所に増える、または内臓に転移したりすることもあるので、観察が必要です。
【内臓型】
この場合の肥満細胞腫は、肝臓や脾臓、消化管などにでき、その多くが悪性です。
猫が食欲不振、嘔吐、下痢などの症状が見られたら早急に病院へ連れて行きましょう。腹部を触るとしこりが感じられたり、やせているのにお腹が目立つといった様子がある場合は深刻です。
放置しておくと命にかかわる大変危険な病気です。進行すると体中のあちこちや肺へ転移します。
治療は、腫瘍の進行度合いや猫の体力などに応じて、人間の腫瘍と同様、外科手術や抗がん剤治療が行われます。
しかしかなり進行が進んでいたり、猫によって積極的な治療が難しい場合は、症状を緩和する対症療法となります。
☆肥満細胞腫の原因は?
肥満細胞腫が発生する原因自体はよくわかっていません。発症する平均年齢は9~10歳の猫に多いと言われています。
しかし特にシャム猫の場合は若い猫でも発症することが多いようです。品種による要因、または多発性の皮膚型肥満細胞腫では猫免疫不全ウイルス(FIV)との関連も疑われています。
いかがですか。たかが出来物、と思うなかれ。もしかしたら、悪性の腫瘍の可能性もあります。
毎日こまめに愛猫の体をモフモフして、ちいさなしこりがないか、調べてみて下さい。
ちいさな皮膚型肥満細胞腫の場合は、猫の様子を観察して、大きくなったり、数が増えていないか観察することが重要です。
多くは良性ですが、心配がある場合は病院でチェックしてもらうと良いでしょう。